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一般的な電子カルテシステムはハード・ソフトに依存しているため、使用限度年数は最大で10年といわれています。新システムと新媒体への移行(マイグレーション)を5〜10年おきに続ける必要があります。つまり「新しいシステム(ハードとソフト)」への電子データの移行費用と「新しい記録媒体」への多大な変換費用と保守費用が定期的に発生し続けます。診療録の維持コストと保存品質のリスクが残存し続けます。

電子データは改ざん痕が残らず容易に改ざんが出来るためデジタル情報は信頼性が乏しく、法的証拠能力にかけます。

誰がいつ作った電子文書か、その電子文書は修正や改ざんが行われていないか、を証明するために「電子署名」や「タイムスタンプ」の仕組みがあります。しかし、電子署名のフォーマットもバージョンがあり、また公開鍵証明書の有効期限にも影響をうけます。タイムスタンプも有効期限があります。また、これらは使用料金が発生します。電子署名とタイムスタンプが付与された電子データをフォーマット変換すると検証が不能となります。

電子カルテシステムは技術の進歩にともなって「新しいシステム」「ソフトウェア」「データ形式」「文字コード」が開発され、また市場原理により販売促進の為に新製品が定期的に投入、バージョンアップが繰り返されます。

OS・ソフト・データ形式を複雑にからむ電子カルテシステムは未来のパソコンで作成時と同じ状態で表示される保証はありません。

「CD-ROM」は表面を覆っているポリカーボネート樹脂は年数がたつと劣化し樹脂に包まれている電子データを記録したアルミ製円盤が外気に触れて腐食するため情報の読みとりが不能になります。「磁気テープ」は年数がたつと磁気コートが剥がれることがあり、メディアの磁界が露出し、酸化することによってデータが消失します。1976年の火星探査機バイキングの調査したデータの10%程度はデータの読みとりが不能になっています。「ハードディスク」も精密機械であるため必ず壊れます。また、技術の進歩にともなって新しい「記録媒体」と「再生装置」が開発され、現在使用の記録媒体が主流で無くなくなると記録媒体と再生装置は生産が中止されます。つまり数年おきに「新しい記録媒体」に保存し続ける必要性があります。

電子カルテシステムはリレーショナルデータベースや、サブシステムによって成り立っており、一つのデータベースやサブシステムに不具合が生じると、電子カルテシステムが動作不能になります。