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◯輸入者の帳簿書類の保存義務
輸入を業とする者は、関税関係帳簿書類等の保存が義務づけられています(関税法第94条第1項及び第94条の5)。
〈保存が必要な帳簿〉
輸入の許可を受けた貨物の品名・数量・価格、仕出人の氏名又は名称、当該許可の年月日及び許可書の番号を記載したもの
保存期間 7年間(輸入の許可の日の翌日から起算)
〈保存が必要な書類〉
輸入の許可を受けた貨物の契約書、仕入書、運賃明細書、保険料明細書、包装明細書、価格表、製造者又は売渡人の作成した仕出人との間の取引についての書類その他税関長に対して輸入の許可に関する申告の内容を明らかにする書類 ※輸入申告に際して税関に提出したものを除く
保存期間 5年間(輸入の許可の日の翌日から起算)
〈保存が必要な電子取引の取引情報〉
電子取引(EDI取引、インターネット等による取引、電子メール等により取引情報を授受する取引)を行った場合における当該電子取引の取引情報(貨物の取引に関して授受する契約書、仕入書等に通常記載される事項)
保存期間 5年間(輸入の許可の日の翌日から起算)
◯輸出者の帳簿書類の保存義務
輸出を業とする者は、関税関係帳簿書類等の保存が義務づけられています(関税法第94条第2項及び第94条の5)。
〈保存が必要な帳簿〉
輸出の許可を受けた貨物の品名・数量・価格、仕向人の氏名又は名称、当該許可の年月日及び許可書の番号を記載したもの
保存期間 5年間(輸出の許可の日の翌日から起算)
〈保存が必要な書類〉
輸出の許可を受けた貨物の契約書、仕入書、包装明細書、価格表、製造者又は売渡人の作成した仕出人との間の取引についての書類その他税関長に対して輸出の許可に関する申告の内容を明らかにする書類 ※輸出申告に際して税関に提出したものを除く
保存期間 5年間(輸出の許可の日の翌日から起算)
〈保存が必要な電子取引の取引情報〉
電子取引(いわゆるEDI取引、インターネット等による取引、電子メール等により取引情報を授受する取引)を行った場合における当該電子取引の取引情報(貨物の取引に関して授受する契約書、仕入書等に通常記載される事項)
保存期間 5年間(輸出の許可の日の翌日から起算)
1.関税関係帳簿と書類の保存
輸入者又は輸出者は、輸出入した貨物に関する品名、数量及び価格等を記載した帳簿を備え付け、帳簿及び関係書類等を保存することが義務付けられています。
関税法の規定により備付け及び保存をしなければならないこととされている帳簿を「関税関係帳簿」と、保存しなければならないこととされている書類を「関税関係書類」といいます。
2.関税関係書類のスキャナ保存
スキャナ保存制度は、取引の相手先から受け取った仕入書等及び自己が作成したこれらの写し等の関税関係書類について、一定の要件の下で、書面による保存に代えて、スキャナで読み取った電磁的記録による保存が認められる制度です(関税法第94条の2第3項)。
スキャナ保存にあたって満たす必要がある要件の一覧は、下記URL9ページの【表4】のとおりです。
2-1.スキャナ保存の対象となる書類
〈重要書類(一般書類以外の書類〉
資金や物の流れに直結・連動する書類
(例)契約書、請求書、納品書、原産地証明書、帳簿への記載を省略した場合において記載を省略した事項が記載されている書類
2-3.スキャナ保存の届出について
書類のスキャナ保存開始にあたり以前は、税務署・税関へのと承認申請書の届け出が必要でしたが、法の改正により、現在は新たに発生する書類のスキャナ保存を行う場合、税務署・税関への届出は「重要書類」「一般書類」にかかわらず不要となっています。
新たに発生するスキャナ保存を開始した後、過去の種類をスキャナ保存する場合、「過去分重要書類」については、税務署・税関へ「適用届出書」を提出する必要があります。
「過去分一般書類」については、そもそも「一般書類」は、入力期間の制限なく適時に入力がすることができるので、適用届出書の提出は必要はありません。
〈一般書類〉
資金や物の流れに直結・連動しない書類 (例)見積書、注文書
関税関係書類のうち財務大臣が定める書類(一般書類)については、入力期間の制限なく入力することができることとされており、その書類については平成17年財務省告示第131号により告示されています。
平成17年財務省告示第131号 https://www.customs.go.jp/kaisei/kokuji/H17kokuji131.pdf
〈過去分重要書類〉
スキャナ保存を行う保存義務者は、スキャナ保存を開始する日前に作成又は受領した一般書類以外の書類(過去分重要書類)について、税関長に適用届出書(税関様式C-9345)を提出したときは、事務の手続きを明らかにした書類の備付けを行うことにより、過去分重要書類についてスキャナ保存をすることができます。ただし、適用届出書は、従前において同一種類の過去分重要書類に係る適用届出書を提出している場合は、提出することができません。 ■
※適用届出書(税関様式C-9345)
https://www.kanzei.or.jp/sites/default/files/pdfs/youshiki/c9345.pdf
2-4. スキャナ保存に関するQ&A
帳簿書類の保存義務と電子データによる保存 一問一答(令和6年1月・財務省・税関) より
《問42》スキャナ保存を開始した後、過去に遡って保存している書類をスキャナ保存に代えることはできますか。
【回答】資金や物の流れに直結・連動しない書類(平成17 年財務省告示第131 号に定めるもの)(「一般書類」)で、要件に沿って保存することが可能であれば、過去に受領等した書類のスキャナ保存ができます。また、一般書類以外の書類(「重要書類」)についても、適用届出書の提出後、一定の要件の下、入力期間の制限なくスキャナ保存ができます。
【解説】「一般書類」のスキャナ保存が可能か否かについては、要件に沿った保存が可能か否かで判断することとなります。規則第10 条第4項第1号イ、ロでは、関税関係書類を受領等してから入力するまでの期間制限が規定されていますが、「一般書類」については規則第10 条第5項により、この期間の制限がなく適時に入力できることから、これらの書類については、他の要件を満たす限り、過去において受領等した書類についてもスキャナ保存することが可能となります。
また、スキャナ保存を開始する日前に作成又は受領した「重要書類(過去分重要書類)」についても、その書類に係る貨物の輸出又は輸入申告に係る税関長に適用届出書を提出したときは、一定の要件の下、スキャナ保存をすることができます。適用届出書を提出した後は、その後の入力期間について制限はありません。そのため、例えば、数か月間に渡ってスキャナ保存の作業を行うことも可能です。ただし、適用届出書は従前において同一種類の過去分重要書類に係る適用届出書を提出している場合は提出することができません。
《問44》当社は過去分重要書類のスキャナ保存に当たって、対象となる書類が膨大にあるのですが、数か月間に渡ってスキャナ保存の作業を行うことも可能ですか。
【回答】「過去分重要書類」のスキャナ保存については入力期間の制限はありませんので、数か月間に渡ってスキャナ保存の作業を行うことも可能です。
【解説】スキャナ保存によって関税関係書類の保存に代えている保存義務者は、関税関係書類の保存に代える日前に作成又は受領した「重要書類(過去分重要書類)」について、あらかじめ税関長に適用届出書を提出したときは、一定の要件の下、スキャナ保存をすることができることとされています(規則第10 条第7項)。
適用届出書を提出した後は、その後の入力期間について制限はありません。これは、スキャナ保存に代える日以前に作成・受領した書類が膨大であり、入力に相当の期間を要することが想定されるため、制限を設けないこととされたものです。そのため、例えば、数か月間に渡ってスキャナ保存の作業を行うことも可能です。
なお、「一般書類」については、入力期間の制限なく適時に入力がすることができますので、適用届出書の提出は必要ありません。
3.関税関係帳簿書類に関連するリンク集
◯帳簿書類の保存義務と電子帳簿等保存制度(税関ホームページ)
https://www.customs.go.jp/shiryo/chobo.htm
■
◯帳簿書類の保存義務と電子データによる保存の概要(令和6年1月・税関)
https://www.customs.go.jp/tsukan/chobohozongaiyou.pdf
※帳簿書類の保存義務と電子帳簿等保存制度についての基本的な内容をまとめた資料です。
内容は、令和6年1月1日現在の法令等に基づきます。
■
◯帳簿書類の保存義務と電子データによる保存 一問一答(令和6年1月・財務省・税関)
https://www.customs.go.jp/tsukan/chobohozonQA.pdf
■
◯関税関係書類の保存期間について
保税蔵置場等の倉主等及び通関業者、輸出入者としてそれぞれの税関関係書類の保存期間https://www.kanzei.or.jp/moji/moji_files/pdfs/cus_info/220324ho-news7.pdf
■
◯関税関係書類の電磁的記録によるスキャナ保存の適用届出書(C-9345)(令和4年1月1日更新)
https://www.customs.go.jp/kaisei/youshiki/form_C/C9345.pdf
■
◯関税法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=329AC0000000061
■
◯関税法施行規則
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=341M50000040055
■
◯関税法施行令
※関税関係書類の過去分重要書類と一般種類のスキャナ保存(電子化、デジタル化)は富士マイクロが代行入力(アウトソーシング受託)いたします。
2-2.スキャナ保存要件
スキャナ保存にあたって満たす必要がある要件の一覧は、下記URL9ページの【表4】のとおりです。
https://www.customs.go.jp/tsukan/chobohozongaiyou.pdf
一般書類と重要書類の主な要件は下記になります。
〈一般書類〉
1.解像度200dpi相当以上でのスキャン(一般書類はモノクロ・グレー可)
2.タイムスタンプの付与、または訂正・削除の履歴が残る訂正・削除ができないシステムの利用
3.帳簿との相互関連性の確保
4.ディスプレイおよびプリンターの設置(モノクロ可)
5.検索機能の確保
6.システム概要書類等を備え付ける。
〈重要書類(一般書類以外の書類〉
一般書類の要件に加え以下のものがあります。
1.入力期間の制限
2.カラー画像でのスキャン
3.カラーディスプレイおよびカラープリンターの設置
関税関係帳簿と関税関係書類のスキャナ保存