マイクロフィルム長期保存対策

マイクロフィルムの劣化対策(酢酸匂い対策)と定期検査

マイクロフィルムの生産終了後の情報資産の長期保存

世界で唯一マイクロフィルムの生産をしていた富士フィルムが、2025年2月にマイクロフィルムの生産中止の方針を発表し、2025年12月にてマイクロフィルムは受注受付を終了いたしました。

2026年以降は、マイクロフィルムの新規撮影と複製ができなくなりました。

今後は、永久保存用のマイクロフィルムの定期検査と劣化対策、電子化によるデジタルデータへの移行の重要性が高まってくるでしょう。マイクロフィルムを安全に保管し、将来にわたりその情報資産を維持するためには、下記の対応が必要です。

 1. 長期保存のための環境管理・点検

 2. 保存設備の最適化・検討

 3. 当社では、JIS Z 6009に基づく保存点検を実施し、

  マイクロフィルムの寿命を最大限に引き出すお手伝いをいたします。

 4. マイクロフィルムの電子化サービス

保存状態が悪く劣化したマイクロフィルム

ビネガーシンドロームとマイクロフィルムの劣化について

1950年代〜1990年代に製造されたTACベースのフィルムは、不適切な保存環境では「ビネガーシンドローム」と呼ばれる劣化現象が発生します。この現象はフィルムが

加水分解し酢酸が発生、べたつきや白い粉の発生、波打ち、リールの溶解など深刻な被害を引き起こす現象です。 酢酸濃度が一定レベルを超えると劣化が加速し、修復が困難となります。

1990年代前半以降は、化学的に安定したポリエステル(PET)ベースのフィルムへの移行が進みました。このポリエステルベースのフィルムは、ISO18901において適切な環境下で500年以上の長期保存が可能とされています。

マイクロフィルムの長期保存は、正しい保存方法と定期検査が不可欠です。

マイクロフィルムの長期保存のための必要な基礎知識を、ビネガーシンドローム、保存環境、保存対策の動画にてご紹介しております。

YouTube 富士マイクロ公式チャンネル

マイクロフィルム長期保存対策YouTubeショートシリーズ

YouTubeでのマイクロフィルム長期保存対策のご案内

マイクロフィルムを永久保存するための条件として、作成時に「良い材料」を使い「正確な処理」を行うこと、「適切な保存環境」を維持することが大切です。

形のあるものは全て劣化します。

マイクロフィルムを正常な状態を維持するためには「マイクロフィルムの定期検査」を行う必要があります。劣化を早期に発見した場合は、以前はマイクロフィルムの複製を行っていました。しかし、マイクロフィルムが製造中止となった現在では、電子化によりデジタルデータに情報を移行する方法を行います。

フィルムの波打ちが激しい劣化ロフィルムは、スキャニングはできません。その場合フィルムは密封し、正常なフィルムと分けて保管してください。

記録媒体の運用方法

適切な

保存環境

媒体移行

複製

定期検査

適切な

保存媒体

マイクロフィルム定期検査と劣化対策の流れ

PET

TAC

無臭

臭う

永久保存

中長期保存

重度

軽度

OK

NG

※上記フローは、一般的事例であり、フィルムの劣化状況や、情報の重要度に関して対策も異なります。

永久保存のTACフィルムは、劣化度に関わらず、電子化サービスをおすすめいたします。

保存不能

2.TACベース・PETベースフィルムの分別

TACベースのマイクロフィルムは、高温高湿の環境では劣化し酢酸の匂いを放ちます(ビネガーシンドローム)。その酢酸は劣化していないフィルムにも悪影響を及ぼします。劣化しやすいTACベースフィルムと安定性の高いPETベースフィルムを分別し管理する事が大切です。当社ではTACベースとPETベースのフィルムの分別作業いたします。

3.TACフィルム劣化検査

TACフィルムのビネガーシンドロームによる劣化の進行を5段階に分けて試験紙により検査し、対策を報告いたします。

4.JIS Z 6009に基づく項目の定期検査

JIS Z 6009の定期検査に基づき、フィルムの生じる「かび、くっつき、変形、きず、膜面のはく離、変色、マイクロスコピックプレミッシュ、濃度の低下、べとつき、酢酸臭(酢酸匂い)」および、保護箱・リール・帯の検査をいたします。

1.マイクロフィルム保管環境点検

マイクロフィルムの保存方法の標準規格であるJIS Z 6009に基づいて、お客様のマイクロフィルムの保存環境を点検いたします。

1.マイクロフィルム検査サービス

1.マイクロフィルム電子化サービス

マイクロフィルムをマイクロフィルムスキャナーでスキャニングし電子化を行い、デジタルデータとして保存します。そうすることによりパソコン上での閲覧を可能となります。

2.マイクロフィルム包装材料交換

次のような場合、当社ではフィルムに悪影響を及ぼさない素材への交換をいたします。保護箱や帯が酸性紙の場合や中性紙であっても酸を吸収している場合、リールが金属である場合(結露を起こしやすい)。

4.マイクロフィルム保管用キャビネット販売

保管場所に適した、除湿機能付きキャビネット等をご提案いたします。

2.マイクロフィルム劣化対策

3.マイクロフィルムお預かりサービス

当社の管理規定に基づき、お客様のマイクロフィルムを当社マイクロフィルム保管庫でお預かりいたします。

マイクロフィルムに関するのご相談お見積もりは無料!

受付時間:平日9:00〜17:30

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※参考文献

「JIS Z 6009-1994 銀-ゼラチンマイクロフィルムの処理および保存方法」日本産業規格

「イメージング材料ー処理済み銀ゼラチンタイプの白黒フィルムー安定性の仕様」国際標準化機構

「マイクロフィルム保存のための基礎知識」国立国会図書館

「国立国会図書館所蔵マイクロフィルム資料長期保存対策方針」国立国会図書館

「マイクロフィルム保存の手引き」日本画像情報マネジメント協会

「マイクロ写真の基礎Q&A」金澤勇二著 日本画像情報マネジメント協会

参考資料リンク集

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