富士マイクロ記録媒体検査サービス [メディアレスキュー]
マイクロフィルム定期検査と劣化対策の流れ
マイクロフィルムを永久保存するための条件として、作成時に「良い材料」を使い「正確な処理」を行うこと、「適切な保存環境」を維持することが大切です。
形のあるものは全て劣化します。
マイクロフィルムが正常な状態を維持するためには「マイクロフィルムの定期検査」を行う必要があります。劣化を早期に発見した場合は、マイクロフィルムの複製が必要です。または、電子化による電子データでの複製ももう一つの方法です。
記録媒体の運用方法
適切な
保存環境
媒体移行
複製
定期検査
適切な
保存媒体
PET
TAC
無臭
臭う
永久保存
中長期保存
重度
軽度
OK
NG
※上記フローは、一般的事例であり、フィルムの劣化状況や、情報の重要度に関して対策も異なります。
永久保存のTACフィルムは、劣化度に関わらず、フィルムの複製をおすすめいたします。
2.TACベース・PETベースフィルムの分別
TACベースのマイクロフィルムは、高温高湿の環境では劣化し酢酸を放ちます(ビネガーシンドローム)。その酢酸は劣化していないフィルムにも悪影響を及ぼします。劣化しやすいTACベースフィルムと安定性の高いPETベースフィルムを分別し管理する事が大切です。当社ではTACベースとPETベースのフィルムの分別作業いたします。
3.TACフィルム劣化検査
TACフィルムのビネガーシンドロームによる劣化の進行を5段階に分けて試験紙により検査し、対策を報告いたします。
4.JIS Z 6009に基づく項目の定期検査
JIS Z 6009の定期検査に基づき、フィルムの生じる「かび、くっつき、変形、きず、膜面のはく離、変色、マイクロスコピックプレミッシュ、濃度の低下、べとつき、酢酸臭」および、保護箱・リール・帯の検査をいたします。
1.マイクロフィルム保管環境点検
マイクロフィルムの保存方法の標準規格であるJIS Z 6009に基づいて、お客様のマイクロフィルムの保存環境を点検いたします。
1.マイクロフィルム検査サービス
1.マイクロフィルム複製
劣化したマイクロフィルムをPETベースフィルムに複製を行います。
2.マイクロフィルム電子化サービス
マイクロフィルムを専用スキャナーでスキャニングしデジタル化を行い、パソコン上での閲覧を可能とします。
3.マイクロフィルム包装材料交換
次のような場合、当社ではフィルムに悪影響を及ぼさない素材への交換をいたします。保護箱や帯が酸性紙の場合や中性紙であっても酸を吸収している場合、リールが金属である場合(結露を起こしやすい)。
6.フィルム修復業務
歪んだマイクロフィルムを平面化する修復サービスです。劣化の進行が著しく、破損しかねないマイクロフィルムでも、ベースの平面化によって複製フィルムの作製やデジタル化が可能です。
5.マイクロフィルム保管用キャビネット販売
保管場所に適した、除湿機能付きキャビネット等をご提案いたします。
2.マイクロフィルム劣化対策
4.マイクロフィルムお預かりサービス
当社の管理規定に基づき、お客様のマイクロフィルムを当社マイクロフィルム保管庫でお預かりいたします。
TACベースフィルムでおこるビネガーシンドロームについて
一般の写真フィルムや映画のフィルムではTAC(セルロースエステル)ベースフィルムが使用されており、高温高湿の保存環境では、酢酸臭を放ち、波打ったり、剥離したりという現象(ビネガーシンドローム)の存在が明らかになりました。
1954年以降マイクロフィルムにおいてもTACが使用されておりました。
1991年にこの劣化の原因が加水分解であることがに解明されました。
1973年にPET(ポリエステル)をベースフィルムとしたマイクロフィルムが開発されTACとPETの両方が使用されている時期がありましたが、1993年には全てのマイクロフィルムがPETベースに切り替わっております。
このPETベースフィルムは非常に安定したフィルムであり適切に現像・保管をすれば500年の期待寿命があります(ISO18901:2002に記載)。
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※参考文献
「JIS Z 6009-1994 銀-ゼラチンマイクロフィルムの処理および保存方法」日本産業規格
「マイクロフィルム保存のための基礎知識」国立国会図書館
「マイクロフィルム保存の手引き」日本画像情報マネジメント協会
「マイクロ写真の基礎Q&A」金澤勇二著 日本画像情報マネジメント協会
「新しい文書情報マネジメントの基礎と応用」日本画像情報マネジメント協会
「JIIMA電子化文書取扱ガイドライン」日本画像情報マネジメント協会 法務委員会
マイクロフィルムの定期検査と劣化対策の流れ